令和7年度「観光DX推進による地域活性化モデル実証事業」に3回目の採択

このたび当社は、国の観光DX事業(令和7年度)において、福井県観光DXコンソーシアムの一員として3回目の採択を受けました。昨年度までの成果と自社プロダクト、生成AI開発の知見を結集し、今年度は全ての開発業務を当社が一気通貫で担います。

背景と目的
DXの推進により全国で「稼げる地域・稼げる産業」を創出し、観光の恩恵を地域隅々まで行き渡らせることが本事業の目的です。福井県では、予約・来訪データやアンケートなどの豊富なデータを活用し、観光事業者の収益性・生産性向上と、旅行者の体験価値・回遊性向上(toC)を同時に実現します。
取組1:AIコンシェルジュの実装
福井県公式観光サイトに生成AIコンシェルジュを導入します。
インバウンド対応を含む多言語化。観光客の質問に対し、関連ページを案内するだけでなく、ユーザーの関心に応じた情報を生成し提供します。恐竜博物館の混雑状況や穴場スポットの情報をAIチャットで共有し、観光客の行動を自然に分散させます。
これにより、特定スポットへの集中を緩和しながら、地域全体の消費拡大を図ります。外国人観光客への効果的なアプローチも可能になります。
取組2:観光事業者向けAIツールの提供
観光事業者の売上向上と業務効率化を支援するツール群を開発します。
まず、予約データと観光アンケートをAIで分析しプッシュ配信する情報発信プラットフォームを構築。2023年から推進している県内エリアの90日先までの予約状況をオープンデータ化したエリアPMSと、3年間で収集した約7万件の観光客アンケートデータを組み合わせます。これらの膨大なデータを観光事業者の収益向上に資する指標をAIが自動分析し事業者への情報配信をプッシュ型で行います。
さらに、当社が開発した「使えない」をゼロにする生成 AI スイート mitsumonoAIと生成AI導入支援を地域の事業者に提供。各種デジタルマーケティング業務の効率化を支援し、売上拡大と業務効率化の実現にチャンレンジします。
観光戦略推進やデジタルマーケティングの壁打ち相手となる、実在する人物の専門知識を与えたAIも作成。AIコンサルティングの自動化にチャレンジし、専門知識を提供する側と受け取る側、双方の生産性向上を実現します。
事業の本質
福井県観光連盟が蓄積してきた観光データと予約情報、アンケート結果。観光事業者にはAIによる自動コンサルティングと業務効率化ツールを提供し、観光客には多言語対応の提案型AIガイドを導入します。
事業者は、AIからいつでも専門的な示唆を得られ、情報もプッシュ型で受け取れる環境を構築。観光客も、AIが最適な情報を多言語で提供する環境を目指します。これは単なるデジタル化ではありません。事業者の収益向上と観光客の利便性向上を同時に実現する、先端的な観光DXモデルの構築です。地域全体の消費拡大と持続可能な観光経営の基盤づくりを目指しています。
さらなる高度化に向けて
初年度には、データ収集・AIによる分析・レポート作成など、データの基礎的な活用に取り組み、2年目にはデータを活用したデジタルマーケティングの伴走支援を実施しました。
過去の実証事業で見えた課題を、進化する生成AIで解決できることに期待を高めつつ、事業者や観光客の皆さまにとって便利で有益なテクノロジーの活用方法を提示していきます。
観光DXは、技術のための技術ではありません。地域の課題を解決し、訪れる方と迎える方の双方にとって意味のある体験を生み出すための取り組みです。
私たちは、その実現に必要な開発を着実に進めてまいります。
Comments ()