最適なデジタルツールの選び方

最適なデジタルツールの選び方
Photo by Ari He / Unsplash

デジタルマーケティングや業務効率化を目指す企業が増えています。現代のビジネス環境において、確かにデジタルツールの導入は不可欠です。しかし、「どのツールを使えば良いかわからない」「営業を受けてAIツールを導入したが、他にもっと良いものがあったのでは」といった声を耳にすることも少なくありません。

多くの企業がどのツールを選ぶべきか悩んでいるのが現状です。営業を受けてツールを導入したものの、使い方が分からず業務効率が悪化したり、後になって他に良いツールがあることを知ったりといったケースもあります。では、実際にどのようにして最適なツールを選べば良いのでしょうか。

クライアントのお悩み

あるクライアントから、次のようなお話を伺いました。「別の部署であるAIツールを導入しました。しかし、実際にはAIを使用する必要のあるようなボリュームのある業務ではなく、さらにツールの使い方がわからない社員が多かったため、契約はしたものの実際には使っていないんです。」

これは、部署の課題とツールの特性がマッチせず、「仕事の時間が短縮できる」という期待だけでツールを導入を決める、典型的なツール選びの例です。まず考えるべきは業務の具体的な内容とそのボリュームです。AIツールを導入する前に、業務の実態を詳細に分析し、どの部分で時間や労力がかかっているのかを明確にする必要があります。

適切なツール選びのポイント

検討を重ねた上でデジタルツールを導入すると決めた場合、どのような観点でツールを選ぶとよいのでしょうか。おそらく想定されている以上に項目は多いのですが、以下にツール導入の際に確認すべき項目を5つにまとめたチェックリストを紹介します。

デジタルツール導入チェックリスト

1. 目標設定と現状分析

✓現状分析:現在の業務フローを把握し、問題点や課題をリストアップする。既存のシステムやツールの評価も含める。

✓導入目的の明確化:会社のデジタルツール導入の目的を具体的に定義する(例:業務効率化、コスト削減、売上向上)。

2. ツール選定とコスト評価

✓コスト対効果の評価:導入コストとランニングコスト(保守、更新費用など)を見積もり、コスト対効果を評価する。

✓評価と選定:各ツールの機能、コスト、サポート、ユーザーフレンドリーさ、ベンダーの信頼性と実績を評価する。

✓必要機能のリストアップ:必要な機能を明確にし、市場で利用可能なツールをリサーチする。

3. 社内準備とトレーニング

✓トレーニング計画:社員向けのトレーニングプログラムを計画し、実施する。トレーニングの成果を確認するための評価方法も設定する。

✓インフラと責任者の準備:導入に必要なインフラの確認と準備を行い、プロジェクト責任者およびチームを設定する。

4. 導入とテスト

✓パイロット導入: パイロット導入を実施し、問題点を洗い出す。ユーザーテストを行い、フィードバックを収集し、必要な調整や修正を行う。

5. 運用と改善

✓フィードバックと改善: ユーザーフィードバックを収集し、改善策を実施する。効果測定を行い、導入目的の達成度を評価する。

✓継続的なツール活用: ツールのアップデートと合わせて操作方法や活用方法を習得し最大限活用する。

目標設定と現状分析

デジタルツール導入の目的を明確にすることで、どのツールが最も適しているかを判断する基準を持つことができます。また、現在の業務フローや問題点を把握することで、ツール導入後の効果を最大限に引き出すための具体的な対策が立てられます。

導入の目的が曖昧なままにツールの検討を始めてしまうと、選定したツールが実際の業務に適合しないことに後で気づくなど、コストや労力が無駄になる可能性があるだけでなく、業務効率の低下や社員の混乱を招くことになります。

ツール選定とコスト評価

必要な機能をリストアップし、各ツールを評価してけば、最も適したツールを選定できます。費用対効果の評価も行うことで、ツールへの投資がどの程度のリターンを生むかを見極めることができます。

適切な評価を行わずにツールを選定すると、必要な機能が不足していたり、過剰な機能によりコストが高騰したりする可能性があります。多機能さは魅力的である一方で使いこなせる人材が限られることもあり、必要な機能が備わっているかどうかを基準に検討を進めることをおすすめします。

社内準備とトレーニング

社員向けのトレーニングを実施することで、新しいツールの操作に関する知識やスキルを習得し、ツールを導入したことによる業務の効率化などの効果をいち早く感じることができます。

インフラの準備や社員のトレーニングなしに導入してしまうと、「使い方がわからない」「デバイスが動かなくなった」などの問題が発生し、Dロジェクトが遅延する可能性があります。

導入とテスト

パイロット導入を通じて問題点を洗い出し、社員のフィィードバックを収集することで、本格導入前に必要な調整を行えます。例えばマニュアルの整備や他社員へのレクチャーを担当するチーム編成などを行っておくことで、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。

予期せぬ問題が本導入後に発生し、業務に支障をきたすという事態は避けなければなりません。社員からのフィードバックを軽視していると、社員にとっての使い勝手や業務フローとの適合性が低くなり、導入効果が減少してしまいます。

運用と改善

一般的に最も多い導入ケースとしては、開発会社が提供するSaaSツールの導入です。この場合、ツールの継続的なアップデートや機能改善、セキュリティ対策は開発会社が実施するため、運用負荷が低減されることが大きなメリットの一つです。しかし、便利な新機能が追加されても、担当者がそれを使いこなすためのリソースが不足している場合や、実施中の施策との親和性がないためにうまく活用されていないケースが多く見られます。導入したツールは常に進化を続けているため、それを利用するユーザーも同時に進化することで、運用がより改善され、新たな施策の立案や成功事例の創出につながると考えられます。つまり、導入したツールを最大限に使いこなし、効果を上げるための継続的な努力は、導入側にとって最も重要であり、必要なモチベーションであると考えられます。

このように、1つのツールを導入するだけでも様々な事態を想定して検討していく必要があります。対応しきれないと思われるかもしれませんが、ひとつずつ確認していくことで、希望通りのツールを導入することは可能です。

目的が明確であれば営業トークにも惑わされない

ツール導入には時間だけでなく専門的な知識が必要となる場合があることも事実です。デジタルツールの営業担当者の説明には魅力的な言葉や数字が並びます。営業担当者の語る使用方法や独自性は、実際にとても重要な情報です。ユーザーにとっての使いやすさ、ほかのツールとの相違点については、担当者に説明をもらうことも必要です。

ただし、それが必ずしも御社にとって最適なソリューションとは限らないことは念頭に置くべきでしょう。先に述べたように、デジタルツール導入の目的と解決したい課題を把握していることが、営業担当者が進めるデジタルツールが自社に適合しているかを判断する上で非常に重要な指標となります。外部事業者への相談や委託も効率的な手段ですが、決して営業トークを鵜呑みにせず、目標と現状に基づいて複数のツールを比較し、自社のニーズに最も適しているかを評価することをお勧めします。

先に述べたクライアントの事例の場合であれば、もしかするとAIツールは必要なく、シンプルなタスク管理ツールやプロジェクト管理ツールで十分だったかもしれません。あるいは、業務のプロセス自体を見直すことで、ツールの導入をせずとも業務のプロセス自体を見直すことで十分効率化が図れた可能性もあります。

ただし、デジタルツールを専門に扱う企業に相談をした場合、あくまでツール導入後の効率化を目的として導入サポートを行うことになるため、このような根本的な指摘を受けることは難しいと考えるべきでしょう。


デジタルツールを使うということ

当社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)支援において、デジタルツールはあくまで目的を達成するために使う「道具(ツール)」であるという基本的な考えのもと、本来の目的である「業務の効率化」を念頭にサポートを実施しています。そのため、クライアントにはツールを導入すること自体が目的とならないよう、常に業務効率化などの目標設定に基づいた提案を行っています。具体的には、まずクライアントの抱える課題や解決したい悩みのヒアリングから始まり、ツール選びから導入後の運用支援まで一貫したサポートを行い、ツールにかける費用に対する成果を検証しながら進めていきます。

当社はシステム開発やデジタルマーケティング、クライアントの伴走支援といった技術と経験をもとに、クライアントの実情に沿った最適なシステムを開発・実装するお手伝いも行っています。AIシステムの開発・提供も行っているため、既存ツールの選定だけでなく、ニーズに応じて最新の技術を駆使して希望に応じたソリューションを提供することも可能です。

AIツール「mitsumonoAI」

生成AIを導入することで、迅速かつ効率的に高品質なコンテンツを作成できるようになり、競争力の強化や業務の効率化を図ることが可能です。これまでリソース不足で諦めていたSNSでの情報発信やブログ記事の更新作業がもっと容易に行えるようになります。

当社では現在、「mitsumonoAI」という文章生成・画像生成・動画生成・AIチャット・AIファイル分析・コード生成・音声生成・音声からの文字起こしをオールインワンで使用でき、Open AI・Claude・Gemini・Stable Diffusionの最新モデルを選択して使用できる生成AIツールを開発中(現在ベータ版として限定ユーザーでのPoC実施中)です。

このAIツールは機能に応じて最適な画面UIを提供し、初心者でもプロンプトを書くことなく画面上の入力箇所に必要情報を入力することで文章を生成したり、画像を生成したりすることができます。またアップロードしたPDFやワードファイル、画像ファイルなどを分析する機能や入力したWEBサイトのURLをもとにサイトの分析を実施することなども可能です。これは外国企業の多言語サイトにおいて事業内容やサービス内容を把握するのに非常に便利な機能です。その他にも2024年8月現在 AI技術を活用して生成することができる様々な機能をほぼ網羅しています。


後悔しないツール選択のために

本記事では、最適なデジタルツールを選ぶためには、まず自社の現状と目的をしっかりと把握した後で、リサーチと検討を行うことが必要であることを解説してきました。

当社はツール選びから導入後の運用支援まで一貫してサポートし、クライアントの業務効率化という目的の達成を支援しています。既存のAIツールよりも、もっと自社に適したシステムを開発したいといったご要望にもお応えいたします。デジタル技術についてお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。システム開発、AI開発・導入からデジタルマーケティングに至るまで、デジタル支援の実績をもとに、あなたのビジネスを次のステージへと導くお手伝いをいたします。